「見ずらい」と「見づらい」、どっちが正しい表記か迷ったことはありませんか?
SNSやブログ、テレビのテロップなどでも両方見かけることがあり、「どっちが正しいの?」と気になる方も多いはず。
この記事では、「見ずらい」と「見づらい」の違い、そして正しい使い方についてわかりやすく解説します。
あわせて、「見にくい」との違いや使い分けのコツ、言葉の変化にまつわる豆知識も紹介します。
見づらいと見ずらいの違いは?正しいのは?
「見づらい」と「見ずらい」。発音してみれば同じ音です。でも大きな違いがあります。
最近は「見づらい」も「見ずらい」も、両方の言葉をXなどのSNSやブログはもちろん、ビジネス文書やビジネスメールで見ます。
テレビのテロップでも両方を見ることも。私はすごく違和感を覚えるんですよね。日本語の難しいところです。
で、どっちが正しいのかというところです。
正しいのは「見づらい」です。「見るのがつらい」を縮めて、「見づらい」になりました。
漢字で書くと「見辛い」と書きます。
そう考えると「見づらい」が正解で、「見ずらい」は誤りということが分かってもらえると思います。
テストで「見ずらい」と書いてしまうと減点されるかもしれません。
ビジネスの場で使うと、違いが分かっている人にはちょっと評価を下げられてしまうかもしれません。
SNSやブログでも同じです。
今まで「見づらい」を使っているなら、これからも続けて使っていきましょう。
もし今まで「見ずらい」を使っていたなら、今からでも遅くありません。ばっちり直してみてください!
私も言葉づかいは気をつけていこうと思います。
見づらいと同じく「辛い」が使われている言葉は?
見づらいと同じく、「つらい」が使われている言葉って多いですよね。
- 食べづらい
- 走りづらい
- 歩きづらい
- 切りづらい
- 丸めづらい
- 聞こえづらい
- 言いづらい
- しゃべりづらい
- 分かりづらい
- しづらい
などなど。他にも動作の数だけ「○○つらい」「○○づらい」という言葉はあるように思います。
○○づらいの言葉はすべて「○○をするのがつらい」ということなので、「ずらい」ではなく「づらい」を使うのが正解です。
使い方を迷ったときは、「“つらい”と結びつくかどうか」を考えると判断しやすくなります。
見づらいと見にくいの意味の違いは?
見づらいと見ずらいの違いは分かりました。そこに出てくるのが「見づらい」と「見にくい」の違いです。
見づらい場合と見にくい場合で、結果は同じです。あまり良く見えないということですよね。
でも、イメージとして少し違いがありませんか?
見づらいというのは、無理に見るわけではなく見えるイメージではないかな、と。自然に目に入るものがあまり良く見えない感じ。
一方、見にくいは自分の意志で見たいんだけど、よく見えないという感じ。
その他にも調査してみました。
- しづらい・・・心理的理由で難しい
- しにくい・・・物理的理由で難しい
- しづらい・・・気持ちや体が、そのことに耐えるのが苦しい
- しにくい・・・することが難しい
- しづらい・・・自動詞に使う
- しにくい・・・他動詞に使う
※自動詞・・・主語が行う動作
※他動詞・・・主語以外の行動などで発生した動作
辞書や説明されているサイトによって意味の違いはいろいろです。
意味に違いがあるのは明白なのですが、上手に説明することができないというのが正直なところです。
日本語はなかなか難しい!
正確な日本語を使いこなせる人なんているんだろうか?ある説によると、日本語は世界で二番目に難しい言語だそうです。
一番はフランス語だとか。
日本語の説明をする日本語が難しいという、もうすっかり訳のわからない状況です。
見づらいが見ずらいになる可能性
見づらいが見ずらいになる可能性はあるでしょうか。可能性はなくはないと感じています。
以前、「重複」は「ちょうふく」であり「じゅうふく」と書くとテストでは間違いでした。
しかし、今は「ちょうふく」でも「じゅうふく」でも構わないことになっています。
「じゅうふく」という読み方が広まってしまったから、後追いで「じゅうふく」でもOKですよー、ということになりました。
そう考えると、見づらいが見ずらいになってもおかしくないと思われます。
ただ、「見づらい」の場合は、漢字があります。「見辛い」という漢字がありますから、重複のように変わるとも思えないんです。
ということなので、見づらいはおそらく「見づらい」のまま、まだまだ続いていくと思われます。
言葉は時代によって変化するものです。
時代によって変化した言葉といえば、「ぜんぜん~」という言葉です。
今では「ぜんぜんおいしい」とか「ぜんぜん上手」とかプラスの言葉にも使います。
ですが、本来の使い方は「ぜんぜん~ない」というように否定形の言葉とセットで使う言葉でした。
しかししかし!さらに前の時代には肯定の言葉とセットで使っていたとかという説もあります。
ほんと、言葉は現れて消えて、意味が変わって戻って。いろいろです。
それがまたややこしくて、おもしろくもありますけどね。
見づらいや見ずらいの言葉を気にしすぎるのは体に悪い!
見づらいが正しい!見ずらいは間違いだ!というのはそのとおりですし、私もちょっと気になります。
言葉づかいを正すことはもちろん大切ですが、あまりにも気にしすぎるとストレスになってしまいます。
たとえば、「見づらい」と「見ずらい」の違いに過剰に気を取られ、周りの人を指摘したり、自分の言い回しに自信を持てなかったりすると、本当にストレスなんです。
大切なのは、自分が正しいと思う表現を使うことですが、必要以上に完璧を求めないことです。
日本語って、あいまいで雰囲気で感じてもらう表現が多くないですか?
だからこそ、少しの違和感にこだわりすぎず、余裕・ゆとりを持って使うことが大切です。
正しい表現を意識するのは大事ですが、あまり気にしすぎないように心がけましょう。
まとめ|あなたは「見づらい」「見ずらい」どっちを使いますか?
見づらいと見ずらいの違いをご紹介してきました。いかがだったでしょうか?
ポイントのおさらい
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見づらいが正解:見るのが「辛い」「難しい」を表現するときに使う。
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見ずらいは誤用:漢字の「辛い」が使えないので、不正確。
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言葉づかいは意識しつつ、過剰に気にしすぎないことが大切。
日本語はどんどん変化していきますが、正しい言葉づかいを意識しつつ、気持ちよく使える言葉を大切にしていきましょう。
言葉づかいを意識しつつ、楽しんで日本語を使いこなしていきたいですね。