サグラダファミリアの完成がまた遅れるそうです。当初から完成予定はあったものの、着工から既に130年以上が経過。その完成予定はいつなのでしょうか。動向をまとめてみました。
サグラダファミリアの完成予定が延期に。2026年完成は断念
サグラダファミリアの完成予定が延期になると発表がありました。2020年9月16日に、建設責任者が記者会見を開き、20206年の完成を断念すると発表しました。
2026年はサグラダファミリア設計者のアントニオ・ガウディの没後100年という記念の年。なんとかこのときまでに、という気持ちだったようですが。。。
完成予定を延期した理由
2026年に完成する予定が延期となった理由は、やはり「新型コロナウイルス」です。
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための工事中止。そして、新型コロナウイルスによる観光客の激減による建設費の不足。ダブルパンチで工期に影響が出たようです。
特に観光客の減少は影響が大きくて、2020年7月の来場者は1日平均2,000人。これだけ見ると多そうですが、2019年7月は1日平均16,000人くらいが来場しています。
もちろん入場料や寄付も激減しています。建設費はほとんどが入場料と寄付ということなので、観光客が減れば、それだけ建設費も入らない、ということになるんですね。
サグラダファミリアとは?そもそもどういう建物なのか
「未完成の建築物」としての認識が強いサグラダファミリアですが、本来の目的は何なのか。歴史的にはどういう建物なのか、などサグラダファミリアについて調査してみました。
サグラダファミリアは日本語訳で「聖家族贖罪教会」と言われます。「聖家族教会」と呼ばれることも多いみたいです。
サグラダファミリア、としか聞いたことがありませんが、ちゃんと日本語訳があるんですね。
場所はスペインのバルセロナ。
スペインの中では首都のマドリードに続き、人口は2位。大都市です。国際会議がたびたび開催されたり、文化的に大きな影響力を持つ都市として知られています。
1992年にはオリンピックが開催されました。日本人選手では岩崎恭子選手・古賀稔彦選手・吉田秀彦選手が金メダルを獲得しています。
教会というからにはキリスト教の建物ですが、サグラダファミリアはカトリックです。ローマ教皇を中心として世界中に12億人もの信者を持つキリスト教カトリックの教会です。
主な設計者の一人がアントニオ・ガウディ(アントニ・ガウディ)。建設開始が1882年3月19日。今から130年以上も前ですね。
当初はフランシスコ・ビリャールという人物が設計をしたものの、着工翌年に辞任。その後を引き継いだのがガウディです。
その後、じわじわと建築が進むものの1926年にガウディは死亡。さらに、1936年から始まったスペイン内戦でガウディが残した設計図や模型、弟子たちが残した資料のほとんどがなくなってしまったそうです。
なので、ガウディが設計した通りのサグラダファミリアの完成はない、ということになりました。
しかし、その時代時代の建築家が、わずかな資料から設計し直して建設が進んでいます。設計し直し、という大きな手間がかかることも、完成しないひとつの大きな理由でしょう。
おまけに130年以上が経っているということから、完成した部分の損傷も出てきていて、修復しながらの建設となっています。
サグラダファミリアは世界遺産に認定された未完成の建築物
サグラダファミリアはまだまだ未完成です。そんな状態にもかかわらず、世界遺産として登録されています。登録年は2005年。
世界遺産には3種類あります。
- 文化遺産
- 自然遺産
- 複合遺産
サグラダファミリアはこの中の「文化遺産」として、2005年に認定されました。サグラダファミリア単体ではなく「アントニ・ガウディの作品群」としての登録となっています。
ちなみに日本で登録されている世界文化遺産といえば、こんなのがあります。
- 石見銀山遺跡とその文化的景観
- 古都京都の文化財
- 法隆寺
- 古都奈良の文化財
- 平泉
- 厳島神社
- 日光の社寺
- 姫路城
- 首里城
- 富士山
- 紀伊山地の霊場と参詣道
世界遺産登録という動きもかったからか、2004年にスペイン内で最も観光客を集めたモニュメントとなりました。それまではアルハンブラ宮殿やプラド美術館が上位でしたが、2004年に逆転したようです。
サグラダファミリアの完成はいつになることやら(笑)
2026年完成予定が延期になったサグラダファミリア。私が生きているうちに完成するでしょうか。
通常で考えると延期されても数年、という感じですが、なんとなくスペインのお国柄から考えると、さらに延びそうですよね。
ただ、コンピューターによる建築技術や設計技術はものすごい勢いで発展しています。そのため、当初300年はかかると言われていた建築期間がかなり短縮されています。
このまま発展が続けば、そして新型コロナウイルスの影響がなくなれば、あと10年くらいでの完成も夢ではないのではないでしょうか。
とちょっとだけ期待しています。