河況係数という言葉があります。漢字から考えると「川の状況を数値にしたもの」というイメージですが、実際のところはどうでしょうか。調査しましたのでご紹介します。
河況係数(河状係数)とは何か解説
河況係数とは、簡単に言うと「その川の最大流量と最低流量の差」です。最大流量/最低流量で計算されます。流量の単位は立方メートル/秒。
もし常に流量が同じなら、河況係数は「1」になります。河況係数が10なら、流量が最少のときと比較して、最大時は10倍の水が流れるということになります。
河況係数が大きければ大きいほど、水の流量の差が大きいということになり、不安定な暴れ川ということになるわけです。
外国のように長い川だと、場所によって河況係数が変わることもあります。山あいの細くて急な場所では河況係数が高く、河口近くの広く緩やかな場所では河況係数が小さくなります。
雨季と乾季がある場所を流れている川はとても河況係数が高くなる傾向にあります。
※河況係数は河状係数と呼ばれることもあります。
日本の川の河況係数をご紹介します。
日本の川の河況係数をご紹介します。
- 筑後川・・・8,671
- 吉野川・・・5,060
- 利根川・・・1,782 or 930
- 最上川・・・423
- 木曽川・・・384 or 870
政府機関が出した公式な数値が見つかりませんでした。そこで、「疎水名鑑」というサイトや「川と文化」という本から抜粋しています。
同じ日本の中でも大きな差があることが分かります。筑後川はものすごい数値となっています。反乱したときにはものすごいことになる、ということが分かります。
世界の川の河況係数をご紹介します。
世界の川の河況係数はどれくらいの数値なのか、ご紹介します。
- テムズ川(イギリス)・・・8
- ライン川(ドイツ)・・・16
- セーヌ川(フランス)・・・34
- ミシシッピ川(アメリカ)・・・3
- ナイル川(エジプト)・・・30
- ドナウ川(オーストリア)・・・4
こちらも「疎水名鑑」というサイトや「川と文化」という本から抜粋しています。
日本と比較してかなり低いです。川幅が広く傾斜もゆるやか。山地からの豊かな水が途切れることなく安定的に流れる。そんな傾向が見て取れます。
日本の川とはまさに桁違いとなっていますよ。これだけの差があるとは。。。
こんなに差があるのにしっかり川を活用してきた日本って、治水技術がすごいんじゃないでしょうか!?逆に護岸工事などによって河況係数が上がっていると考えられなくもないですが。
河況係数が大きい川は利活用がしにくい。
河況係数が大きい川は利活用が難しいんです。水がないときにはないけど、流れるときにはめちゃくちゃな流れとなるわけです。最大値に合わせて治水をすると、平常時は無用の長物となります。
しかし、最大流量になったら通常の治水では到底たちうちできません。ものすごく難しいというのが分かります。
そんな河況係数が高い川を、日本人は活用してきました。本当にすごいと思います。
河況係数を知って、水害の準備をしたいのですが。。。
河況係数を知っておけば、どれくらいの被害が出そうか予想できます。そうすれば、洪水などの水害から身を守る方法や避難経路などを確認しやすくなります。
現在もハザードマップなどで確認することはできますが、河況係数があれば、さらに避難に役立てられると思います。
しかし、現在のところ、国や地方自治体公式の河況係数はなさそう。ぜひ公の河況係数を公表してもらいたいなと思います。