夏になると気になるゲリラ豪雨。突然空が曇って、めちゃくちゃな雨が来ます。それこそバケツを引っくり返して、そのままかぶったような。傘もほとんど役立たず。
そんなゲリラ豪雨とは何なのか、ご紹介していきます。
ゲリラ豪雨とは?
ゲリラ豪雨とは「集中豪雨や局地的大雨で、事前に予想できなかったもの」のことです。
ゲリラというと、戦争では神出鬼没の部隊。いつ出てくるか予想できない、という特徴があります。そこで、事前に分からなかった強い雨のことをゲリラ豪雨と言うようになりました。
ちなみにこの「ゲリラ豪雨」という言葉。気象庁では使用を控える用語として設定されています(2020年3月現在)。
予想しなかった突然の激しい雨、という現象をマスコミがインパクトをのある言葉で伝えようとした結果、ゲリラ豪雨というワードができあがったようです。インパクトがあるため、またたく間に世間に広がってしまったんですね。
ゲリラ豪雨の原因
近年よく発生するゲリラ豪雨(集中豪雨・局地的大雨)。発生原因としては諸説あるようですが、有力な説が「都市化」ということです。
アスファルトで固められた地面は異常に熱気をため込みます。そのせいで上昇気流が発生します。その上昇気流も広範囲に広がってくれたらいいのですが、高層ビルがあるため、集中的に上昇していきます。
一部地域の上空だけに積乱雲(入道雲)が発生します。その小さい積乱雲から雨が降るわけです。地面がすごく熱くなっているので、ため込んだ水蒸気もかなりのもの。
その水蒸気が雨になって、地面や周辺のビルなどを冷やすまで降り続ける、というわけです。
こんなところにも都市化の影響が出るんですね。都市化は多くの異常気象を引き起こしていると言われますが、ゲリラ豪雨もその一つだったとは。
ゲリラ豪雨と夕立やスコールとの違いは何?
ゲリラ豪雨と夕立とスコール。違いがよく分からないです。そこで整理してみました。
夕立
夕立は夏の夕方に降る雨です。激しい雨になることが多いので、夕立=強い雨というイメージがあるかもしれません。ですが、そうとも言えないようです。
気象庁でも明確な基準はありません。それどころか、「夕立」という言葉も積極的には使わない言葉とされています。
文学的な表現という説もあります。ということなので、夕立とゲリラ豪雨はぜんぜん違います。
スコール
スコールとはもともと「風」なんです。積乱雲が原因で急に強風が吹くことをスコールと言っていました。スコールが起きたときには集中的な強い雨が降るケースが多いそうです。
その雨のインパクトがとても強いため、スコール=大雨というイメージになってしまっているとのこと。
スコールは風、ゲリラ豪雨は雨なので、こちらもまったく違うものです。
ゲリラ豪雨を英語で言うと?
ゲリラ豪雨を英語で言うとどうなるのか、気になって調べてみました。調べてみるとこういう表現がすぐに見つかりました。
Guerrilla heavy rain
直訳ですね。ゲリラ激しい雨。ただ、これは通じません。直訳すぎます(笑)しかももともとGuerrilla(ゲリラ)は「非正規兵」という意味とのこと。
非正規兵の強い雨。そりゃあ通じないですね。
ゲリラ豪雨とは、局地的大雨のことです。そこから英訳したほうがいいみたいですよ。例としてはこのような表現が使われるようです。
- unexpected strong rain(予想できなかった強い雨)
- sudden downpour(突然のどしゃ降り)
このあたりの表現を使うと、ゲリラ豪雨の意味を伝えられるようです。
ゲリラ豪雨はインパクトを狙った言葉!
ゲリラ豪雨はインパクトを狙った言葉なんですね。メディアであれだけ連呼されているので、てっきり歴史のある古い言葉だと思っていました。そう言われてみると、昔は聞かなかったなぁ、と。
気象庁も使わない言葉の筆頭ということです。そんなことを知った上でテレビのゲリラ豪雨報道などを見ると、ちょっと違った見方ができますね。