「日本三大うどんはどこ?」と聞かれて、すべて即答できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
讃岐うどんと稲庭うどんは不動の二大巨塔として確定していますが、残りの1枠は諸説あり、地域によって主張が分かれています。
この記事では、確定している2つのうどんに加え、水沢・氷見・五島・伊勢といった有力候補それぞれの特徴・違いをわかりやすく整理します。
日本三大うどんとは?確定している2つと諸説ある1枠
日本三大うどんは公式に定められた格付けではなく、メディアや郷土料理の知名度をもとに自然と語られるようになった通称です。
そのうち、ほぼすべての説で共通して挙げられるのが次の2つです。
・讃岐うどん(香川県)
・稲庭うどん(秋田県)
問題は残りの1枠で、地域や紹介者によって以下のように主張が分かれます。
・水沢うどん(群馬県)=最有力候補
・氷見うどん(富山県)=富山名物としての知名度
・五島うどん(長崎県)=五島列島の伝統製法
・伊勢うどん(三重県)=伊勢参りの歴史を持つ異色の存在
それぞれの特徴を見ていきましょう。
①讃岐うどん(香川県)
香川県は「うどん県」として全国に知られ、人口当たりのうどん店舗数は日本一です。
強いコシとモチモチした食感が最大の特徴で、小麦粉に対して40%以上の加水、3%以上の塩を使うことでコシの強さを生み出しています。
生地を足で踏んで鍛え、長時間熟成させる伝統製法が今も多くの店で守られています。
ぶっかけ・釜揚げ・かけうどんなど食べ方の種類が豊富で、トッピングを自由に楽しめるのも讃岐うどんの魅力です。
②稲庭うどん(秋田県)
稲庭うどんは秋田県湯沢市稲庭町周辺で作られる手延べの乾麺うどんです。
讃岐うどんが「生麺」であるのに対し、稲庭うどんは「乾麺」という点が大きな違いです。
生地を手のひらで練り、捻り、引っ張って細く仕上げる独特の製法により、細いのにコシがあり、つるりとした喉ごしが生まれます。
江戸時代には秋田藩の御用達として将軍家への献上品にも使われた、由緒ある高級うどんです。
③水沢うどん(群馬県)【最有力候補】
水沢うどんは群馬県渋川市の水澗寺(水沢観音)の門前町で生まれた、約400年の歴史を持つうどんです。
江戸時代、伊香保温泉への湯治客や水澗寺への参拝客を、門前の僧侶たちが手打ちうどんでもてなしたのが始まりとされています。
艶があり白く透き通った、やや太めの麺が特徴で、冷たいざるうどんを醤油だれやごまだれにつけて食べるスタイルが定番です。
コシと弾力が強く、喉ごしの良さは讃岐うどんとも稲庭うどんとも異なる独自の個性を持っています。
氷見うどん(富山県)【富山名物としての候補】
氷見うどんは富山県氷見市で作られる手延べの郷土うどんで、富山名物として知られています。
江戸時代中期、氷見の「高岡屋」が始めた糸うどんがルーツとされ、輪島の手延べそうめんの技術を取り入れて発展しました。
氷見うどんの特徴
細く透き通った麺に、強いコシとモチモチした食感、つるつるとした喉ごしの良さが特徴です。
一般的な手延べうどんは生地を伸ばして仕上げますが、氷見うどんは最後まで手で「ねじり」をかける独自の製法を用いており、これが弾力のある食感を生み出しています。
富山県内では氷見うどんを使った「ひみ寒ぶりうどん」など、地元の特産品と組み合わせたご当地メニューも人気です。
五島うどん(長崎県)【五島列島の候補】
五島うどんは長崎県・五島列島で作られる手延べの乾麺で、「五島手延うどん」とも呼ばれます。
直径2mmほどの細い丸麺で、食用の椿油を使って熟成させるのが最大の特徴です。
椿油のおかげで麺はツルツルとした口当たりになり、しっかりとしたコシも併せ持つ「ツルツル・シコシコ」の食感が魅力です。
大陸から伝わった製麺技術が五島列島で独自に発展したと考えられており、讃岐・稲庭とはまったく異なるルーツを持つうどんです。
伊勢うどん(三重県)【異色の候補】
伊勢うどんは三重県伊勢市を中心に親しまれる、他のうどんとは一線を画す独特な存在です。
麺の太さは縦横6mm以上と非常に太く、25分以上じっくり茹で込むことで、コシをほとんど感じないやわらかい食感に仕上げます。
たまり醤油をベースにした濃い黒色のたれを少量からめて食べるスタイルで、汁うどんではない点も他のご当地うどんと大きく異なります。
伊勢参りの旅人を手早くもてなすため、できるだけ手間をかけずに作れる太麺が生まれたという説があり、江戸時代から庶民の味として親しまれてきました。
日本三大うどん・候補うどんの特徴と違いを比較
各うどんの特徴・違いを一覧表で整理しました。
| うどん名 | 産地 | 麺の種類 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 讃岐うどん | 香川県 | 生麺 | 強いコシ・モチモチ食感・足踏み製法 |
| 稲庭うどん | 秋田県 | 乾麺 | 細麺・つるりとした喉ごし・将軍家への献上品 |
| 水沢うどん | 群馬県 | 生麺 | 透明感のある太麺・冷たいざるうどんが定番 |
| 氷見うどん | 富山県 | 手延べ(半生) | 細麺・最後まで手でねじる独自製法 |
| 五島うどん | 長崎県 | 手延べ乾麺 | 椿油で熟成・ツルツルシコシコの食感 |
| 伊勢うどん | 三重県 | 生麺 | 極太麺・コシなし・たまり醤油の濃いたれ |
まとめ
日本三大うどんについて改めて整理します。
・讃岐うどん(香川県)・稲庭うどん(秋田県)はほぼすべての説で確定している
・残りの1枠は諸説あり、水沢うどん(群馬県)が最有力候補
・富山名物の氷見うどん、椿油が特徴の五島うどん、極太麺で異色の伊勢うどんも候補に挙がる
・麺の種類(生麺・乾麺・手延べ)や食べ方(つけ汁・かけ汁・たれ)が地域ごとに大きく異なる
「日本三大うどん」がどこを指すかに正解はありませんが、それぞれの個性を知ると食べ比べの楽しみが何倍にも広がります。
気になったうどんから、ぜひ食べ比べてみてください。
