おせち料理というと、どれもこれも由来があるものばかりなんですよね。これを知っていると子どもたちに自慢できたり、おせち料理がいっそう楽しめます♪と
いうことで、それぞれの具材や料理の意味・由来をご紹介していきます。
一の重(黒豆・数の子・伊達巻きなどの祝い肴・口取り)
かずのこ
数の子はニシンの子です。ニシン=二親と当てて、親の間に子どもがたくさんできて、子孫繁栄につながりますように、という願いが込められています。
黒豆
黒豆のようにまっくろに日焼けするくらい、マメに働き、元気に過ごせるようにという祈りが込められています。
栗きんとん
栗は昔から縁起物として使われます。「勝ち栗」と呼ばれるんですね。きんとんは感じで「金団」と書きます。
縁起のいい栗と金銀財宝の金団で、豊かな1年になるように、と祈りが込められています。
伊達巻
伊達巻を巻物に見立てています。巻物=知識ということで、たくさん知識が増えますように、賢くなりますように、という願いが込められています。
紅白かまぼこ
めでたいときに使われる紅白の2色を入れます。赤は魔よけ、白は清浄・浄化の意味があります。
田作り
カタクチイワシの稚魚を甘く煮たもの。カタクチイワシを肥料として使ったら豊作になった、という逸話から、豊作を祈る食材として使われます。
ちょろぎ
ちょろぎは漢字で「長老喜」「長老貴」「長老木」「千代呂木」などと書きます。漢字の通り、長寿や子孫繁栄を願っています。
昆布巻き
昆布が喜ぶにつながるとされています。昆布→よろ「こんぶ」、という語呂合わせです。古くからの伝統にもけっこうこういう言葉遊び的なものがありますね。
錦玉子
黄身と白身が金と銀に例えられます。黄色と白の二色をにしきと読むわけです。
錦や金銀という財宝から、豊かな1年になりますように、ということでおせち料理に添えられます。
ワカサギ
子だくさんのワカサギにちなんで、子孫繁栄を願って食べられます。
金柑
金柑を「金冠」になぞらえています。金の冠に代表される財宝ですね。財がたくさん手に入るように、家がますます繁栄するように、という願いが込められています。
二の重(えび・鯛などの海の幸)
エビ
長生きを祈る食材です。エビのように腰が曲がるまで長生きできますように、という願いがこもった縁起物です。
ウナギ
うなぎというと、「うなぎ登り」という言葉が肝ですね。勢いを得て、この1年繁栄しますように、という祈りが込められています。
コハダ
コハダは出世魚です。出世しますように、という願いが込められています。ちなみにコハダはこのように名前が変わります。
- シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロ(ハビロ・ツナシ)
酢だこ
タコは切った断面が赤と白でめでたい紅白となります。また、タコを「多幸」と解釈して、幸せが多い1年になりますように、という気持ちを込めてお祝いの席で食べられます。
スルメ
スルメは「寿留女」と書きます。名前に「寿」が入っていてとても縁起がいいですね。
スルメは日持ちするので、幸せが長続きするようにという意味もあります。
また、室町時代にはお金のことを「お足」と言っていたようです。そこで足の多いイカを食べて豊かな1年を祈るということにつながります。
タイ
鯛はめでたいことに外せない食材です。真っ赤というのが慶事にふさわしいですよね。とにかく昔から高級魚として珍重されてきた魚です。
なまこ
なまこは形が米俵に似ています。そこから、お米がたくさん採れますように、豊作になりますように、との願いを込めておせち料理で食べられます。
ブリ
ぶりは大きさによって名前が変わる出世魚です。仕事での出世を願って、食べられます。地域によって違いますが、こんな感じに名前が変わっていきます。
- ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
- ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
- ツバス→ヤズ→ワラサ→ブリ
どれも最後にはブリになります。
とこぶし
とこぶしは別名が「ふくだめ」なんです。そのまま福を貯める=ふくだめ=とこぶし、となりました。
三の重(紅白なますなどの酢の物)
紅白なます
大根や人参など、根をしっかり張る野菜にあやかって家の繁栄を願います。さらに紅白にすることによって、魔除け・浄化の意味も付け加えています。
与の重(クワイ・里芋などの煮物)
くわい
クワイは芽がすーっと出ます。なので、今までに下積みしてきたことの芽が出るということを祈る縁起物です。
また芽だけでなく葉も大きいので、芽が出たものが大きく広がるという意味も込められています。
ごぼう・たたきごぼう・きんぴらごぼう
ごぼうは地中深くに根を張ります。そこから、どっしりと深々と家が繁栄するようにという祈りが込められるようになりました。
里芋(八つ頭)
里芋はボコボコと実がつながって収穫されます。その様子から、子孫が繁栄しますようにと祈って食べられます。
しいたけ
しいたけは昔は松茸を超える高級品でした。なので祝い事には必ず食べられていたんですね。また、亀の甲羅のように飾り切りをすることで、長寿を願う意味もあります。
たけのこ
成長が早いたけのこにあやかって、大きく成長できますように、という祈りが込められています。また、大きく繁栄しますようにという願いも込められています。
人参
梅の花に飾り切りされることが多いです。梅の花は昔から愛されているため、梅の花のように愛されて豊かになれるように祈って食べられます。
ふき
ふきを「富貴」「福来」という漢字に当てます。富が増えてほしい、いいことがやってきてほしい、という願いを込めて正月にいただきます。
湯葉
古くから「ゆばを食するところに病気なし」と言われているようです。そのいわれのまま、健康長寿を願って食べられる縁起物です。
百合根
たくさんの片鱗が重なり合っています。重なり合うことから調和や平和を祈ります。また、1個の球根から芽が2本出るため、夫婦円満の象徴とも言われます。
れんこん
れんこんは穴があいています。その穴にちなんで、見通しが良くなるように、という願いが込められています。
おせち料理には意味や由来がしっかりあります!
おせち料理や食材には意味・由来がしっかりあります。味付けは和風・中華風・洋風などありますが、食材はそろえたいですね。
伝統を守りつつ、新しいおせち料理なんかも作れたらいいですね。