ウイルスと菌の大きさや主な違い。抗生物質の効果や対策に違いはあるのか徹底解説
ウイルスと細菌って違ってそう。でも本当に違うのかどうか、違いはどこにあるのか、ってなかなか難しいですよね。気になったので調査してみました!
ウイルスと細菌は違う?意外と大きな違いがあります。
ウイルスと細菌は別のものです!調べてみると、かなり大きな違いがあることが分かりました。ひとつひとつ簡単に分かりやすくご紹介していきますね。
大きさ・サイズ
ウイルスと細菌はサイズが大きく違います。どっちも目に見えないという点は共通ですが、かなり違いがあります。
細菌
細菌の大きさの単位はマイクロメートル(1000分の1ミリ)単位です。なので、理科室に置いている標準的な光学顕微鏡でも見えます。
大腸菌なんかは500分の1ミリくらいだそうです。小さいんですけど、「なんだ、それくらいの小ささか」と思えるくらいでしょうか。
ウイルス
大きさの単位はナノメートル(100万分の1ミリ)。電子顕微鏡でやっと見えるレベルです。光学顕微鏡では見えないんですね。
大きい部類のインフルエンザウイルスでさえ1万分の1ミリ。大腸菌の20分の1の大きさです。すごく小さいということが分かります。
新型コロナウイルスはマスクをしていても感染を防げない、という説があります。
一般的な不織布マスクは5マイクロメートルの小さい穴が無数に開いています。例えばスギ花粉なんかは30マイクロメートルなので、侵入を防げます。
しかし、細菌は1~2マイクロメートル、新型コロナウイルスは0.1マイクロメートルなので、すり抜けてしまうんです。だからこそ、マスクでは感染を防げないと言われることもあります。
ただし、新型コロナウイルスを含んだ飛沫などは引っかかり、止めることができます。マスクは飛沫感染には効果的なわけですね。
ウイルスは小さすぎるので細菌よりも発見が遅かったようです。ウイルス性の病気は長らく「原因不明の病気」として扱われてきました。
19世紀末には細菌が通れないろ過装置でろ過した液体にも毒性が残っていることを発見した学者がいて、そのときに毒液という意味のvirus(ウイルス)という名前が付けられたようですね。
1940年代に入り、電子顕微鏡が発明され、ウイルスが発見されたわけです。
生物かどうか
そもそも生物かどうかの違いがあります。生物には伝統的に定義があるんですね。それがこの3つ。
- 細胞膜で仕切られていて、細胞からできている
- 代謝を行う
- 自分で複製できる(細胞分裂)
細菌はこの3つの要素があります。なので、生物。
ですが、ウイルスにはこの特徴が欠けています。そもそも細胞を持たないようです。細胞がないからもちろん細胞壁もありません。核なんかもないみたいです。
細胞ではないので、細胞分裂もできません。どうやって増殖するかというと、他の生物の助けが必要です。他の生物の細胞にくっついて、材料を集めてコピーを作るわけです。
なので、人の体に入ったらどんどん増殖していくというわけなんですね。増えたウイルスが咳などで広がっていき、他の人や生物に入ると、そこでまた増殖するということになります。
またウイルスは生物ではないからこそ「不活性化」という表現をします。機能が止まるという言い方をするわけなんですね。
抗生物質は効果があるか
抗生物質は生物に対して効果がある物質です。しかし、ウイルスはそもそも生物ではないので効果はない、というわけです。
変異しやすさ
細菌とウイルスでは変異しやすさが違います。ウイルスの中でも変異しやすさに違いがあります。その理由も明らかになっています。
一般的に細菌は変異しにくく、ウイルスは変異しやすいと言われています。DNAを持っているのか、RNAを持っているのかという点で大きく違います。
細菌や一部のウイルスはDNAを持っています。DNAは二重らせん構造になっているので、細胞分裂やコピーを作るときにチェック機能があります。
チェック機能があるからこそ、元の状態をキープ。変異しにくいというわけです。
一方、一部のウイルスはRNAを持っています。DNAと違い二重らせん構造ではなく、1本なんですね。なので、チェック機能がない。だからこそ増殖時にコピーミスが起きて、亜種のウイルスに変異するわけです。
ちなみに、天然痘ウイルスはDNA。なので駆逐することができました。インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスはRNAなので、変異しやすいというのが駆逐できないひとつの理由となっています。
新型コロナウイルスも中国の武漢型とか、ヨーロッパ型とかの種類があります。日本では1~2月は武漢型が多かったけど、3月中旬からはヨーロッパ型が増えてきたみたいですね。
新型コロナウイルス治療薬はウイルスの特性を利用している
細菌とウイルスではこのように大きな違いがあります。なので、新型コロナウイルスをはじめとしたウイルスの薬はウイルスの特性を利用しているものが多いようです。
アビガン・レムデシビル
アビガンやレムデシビルはウイルスがコピーして増殖するのを阻害します。増殖を抑えている間に、免疫力を上げたり回復させたりしてウイルスを駆逐します。
アビガンはインフルエンザウイルス、レムデシビルはエボラウイルスに効果的。どちらもRNAを持つウイルスなので、効果があるのではないかと言われています。
フサン
フサンは膵炎など、血栓ができる病気の薬です。ウイルスが細胞にくっつくのを妨害します。細胞にくっつかなければ増殖することもないので、症状が出ることもないみたいですね。
イベルメクチン
イベルメクチンは寄生虫の薬です。そもそも細胞はウイルスの増殖を防ぐ機能を持っています。新型コロナウイルスは、細胞の持つウイルス増殖妨害機能を阻害すると言われています。
しかし、イベルメクチンは細胞の機能を強化して対抗します。RNAウイルス(インフルエンザウイルスやデング熱ウイルス)に効果があるため、新型コロナウイルスへの効果も期待されています。
既に年間数億人に使われているので、安心感はピカイチですね。
イベルメクチンについてはもう少し詳しく調べてみたので、ぜひ読んでみてください。
→イベルメクチンの製薬会社は?コロナウイルスに効果があるかもと話題の薬は日本製か
各薬の併用も研究されているそうですよ。
まとめ
ウイルスと細菌ってかなり大きな違いがあることが分かりました。これで、今後ニュースなどを見るときにより詳しく理解できそうです♪