インドネシアの首都移転先はカリマンタン島?なぜ?影響は?
インドネシアの首都移転先はカリマンタン島と発表!
2019年8月26日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領が首都移転先を発表しました。
現在はジャカルタですが、カリマンタン島東カリマンタン州東部に決めた、とのことです。
この東カリマンタン州のこのあたりが首都移転先の候補地のようです。
移転には国会の承認が必要となります。ただし、かなりの費用がかかるため、否定的な意見がかなり多いようです。
移転費用は466兆ルピアを計画。そのうちの19%を国家予算から捻出。88.5兆ルピアが国家予算からの支出となります。
インドネシアの2019年度国家予算は2,460兆ルピア。3.6%にも当たる金額が必要になりますから。反対派が多いのもうなずけます。
インドネシアの首都移転はいつ?時期は?
インドネシアの首都移転は2024年から段階的に実施するとのことです。
現在でも、バリクパパンという大きな都市がありますが、さすがに首都機能移転には手狭とのこと。2020年中にインフラ工事を開始するようです。
実質3年で準備できるんですかね?
ちなみにバリクパパンは人口70万人(2014年現在)。インドネシアには人高100万人を超える都市が15以上もあるので、決して大都市とは言えないです。
インドネシアのプルタミナ、フランスのトタル、アメリカのシェブロン、シュルンベルジェ、ハリバートンなどが商業活動を行っているとのこと。
木材・鉱物資源・石油関連商品の輸出も盛んという都市。
もし首都機能が移転すれば、人口は一気に100万人を超えそうですね。
(2020年6月追記)
首都移転予算は新型コロナウイルス対策に充てられているようです。そのため、首都移転も遅れそうとのこと。
新型コロナウイルスがここにも大きな影響を与えています。
また、中国が受注した高速鉄道が遅れているということもあるようです。中国はインドネシアに財政負担を求めないことをメリットに、受注を獲得しました。
しかし、遅れが生じているとのこと。
そこで、インドネシア側は日本にも協力を申し出たようです。
お金をかけないことで、遅れが生じていては。。。ちょっと本末転倒な気もしますね。
インドネシアはなぜ首都移転をするのか、その理由
インドネシアが首都移転を考えたのはなぜか、理由を探っていきます。
ジョコ・ウィドド大統領は
「ジャカルタには政治・経済・金融・貿易・サービスが集中し、人口過密や渋滞による大気汚染、水問題といった負担をかけ続けるわけにはいかない」
とインタビューに答えています。
人口過密
ジャカルタの人口は960万人。1000万人以上という報告もあります。
都市圏全体で見ると3000万人以上が住んでいて、地方からの流入で日に日に人口が増えているとのこと。
人口が過密すぎて都市機能がマヒしているという情報があります。
災害
人口過密ゆえに災害にも弱いという指摘もあります。
2006年の大地震、2002年・2007年・2013年・2014年と大洪水にも見舞われています。
被害者も多く、人口過密によるデメリットが出ているのかもしれません。もちろん、それだけが理由ではないでしょうが。
渋滞
ジャカルタの渋滞は一部で「世界最悪」とも言われています。
自動車通勤では往復3~4時間が当たり前。渋滞ピーク時には徒歩10分の道のりが車で1時間ということもザラだそう。
水没
地球温暖化による海面上昇で、ジャカルタが水没するという危機も差し迫っています。
あるレポートによると、2050年までにジャカルタの95%が水没してしまう、という話も。
これらの問題があり、実は1957年にスカルノ大統領が首都移転について課題に挙げてから、今まで続いているんですね。
議論している間に、ジャカルタはどんどん大きな問題を抱える都市になっているようです。
インドネシアが首都移転したときの影響は?
インドネシアが実際に首都移転したときの影響はどういうものがあるか、簡単にまとめてみます。
予算
予算の問題があります。首都をカリマンタン島に移すとなると466兆ルピアもの費用がかかります。日本円にして3兆4600億円。
19%は国庫負担ということですが、その他は公営企業・民間企業からの投資でまかなうとのこと。日本企業や日本政府にも負担を求められそうですね。
自然破壊
自然破壊も深刻です。カリマンタン州は大都市があるものの、少し郊外に出れば自然豊かな環境です。
首都機能が移転したら、開発を余儀なくされます。自然破壊が進んでしまいます。
関係各所からは、今からかなり反対の声が大きくなっています。ただでさえ狭まっている動物の住処をさらに減らすことになります。
絶滅危惧種のオランウータンがさらなる危機に直面するのは間違いなさそう。
ただ、首都移転でジャカルタの渋滞などが緩和された場合、排気ガスなどの問題が軽減されて、プラス面もできるだけにどっちが有効かは分からないところです。
関連企業の移転
日本など、外国企業は移転を余儀なくされるかもしれません。それにともなう費用は多大なものになるでしょう。
インフラ輸出
インフラ輸出ができれば、日本や日本企業の経済的な利益はかなり大きくなると思われます。首都移転となると規模も大きいですから、その分利益も大きい。
ただ、その他の外国やインドネシアの国内企業と競争を勝ち抜かないといけませんけど。
また、地価も高騰しているようです。
インドネシアの首都、ジャカルタはどうなる?
首都機能が東カリマンタン州に移転されたとなると、現在の首都のジャカルタはどうなるのでしょうか。
ジョコ・ウィドド大統領は「経済の中心はジャカルタに残す」と言っています。そんなことができるのか、謎ですが。
例えばオーストラリアのようになるんでしょうか。首都のキャンベラはオーストラリアの中でも人口は7位。
上位にはシドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレード、ゴールドコーストがあります。
オーストラリアはこれでうまく行っているようなので、こんな感じになるのかもしれませんね。
ジャカルタの交通網やインフラはいまも発展・開発が続いています。
首都ジャカルタの軽量軌道交通は2020年に南北に延長する工事がスタートするそうですよ。
ジャカルタとインドネシア第2の都市スラバヤをつなぐ鉄道を高速化することで、日本とインドネシアは合意しています。
インドネシアのカリマンタン島への首都移転は実現するか
インドネシアの東カリマンタン州への首都移転は実現するのでしょうか?
実際にジャカルタでは多くの問題があります。ただ、首都移転するにも大きな問題があります。主に予算ですね。
首都移転には国会の承認が必要となります。多くの予算がかかる首都移転には否定的な議員も多いので、実際に移転となるかどうかはかなり不透明。
現在、ジャカルタのインフラが徐々に整備されつつある、というのも理由の1つにあるようで。移転実現はなかなか厳しい状況のようです。
ジョコ大統領は2期目に就任しました。2045年までに世界経済で5位に入る!そう宣言しています。
これは本気で首都移転に動きそうです!
ただ、日本も同じような状況になっていますよね。東京への一極集中。災害への弱さも露呈していますし。積極的に考えていかないといけない問題だと思います。
ということで、ぜひ香川県へ♪